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2009 年度 実績報告書

鉱物触媒熱水フローリアクターの開発とペプチドの化学進化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20540476
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川村 邦男  大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (50204772)

キーワード宇宙科学 / 地球化学 / 化学進化 / 分析化学 / 生体分子
研究概要

原始生命は熱水中で誕生したとする熱水起源説が注目されているが,熱水中で生体ポリマーが効率よく生成する妥当な経路は見つかっていない.本研究では,深海底の熱水噴出孔をダイナミックに模擬して,原始地球環境でペプチドが生成する経路を発見することを目的とし,350℃・400気圧までで鉱物触媒反応を追跡できる世界初の熱水フローリアクターを開発した.本年度は,この装置を用いて以下の成果を得た.
1. 様々な鉱物(炭酸塩,ケイ酸塩,リン酸塩,硫化物,粘土類)を粉砕し粒径をそろえた上で,内径1.5mmのカラムに充填し,(1)常温で粒子漏れがなく圧力損失が10MPa以下であることを確認し,(2)275℃,30MPaで,実際にリアクターとして働くかどうか確認した.これらのリアクターのいくつかでは流路が詰まり,使用できなかった.また,リアクターサイズを大きくすれば詰まりにくいことが分かった.
2. 我々が発見したアラニン4量体を用いて伸長反応を追跡した.この系では,アラニンモノマーを添加するとより伸長度が上がるが,分析とスクリーニングを簡単にするたモノマーは加えないこととしたこの結果,ほとんどの鉱物では大きな効果は見られなかったが,いくつかの炭酸塩鉱物では弱い反応促進能を見いだした.
3. この鉱物について加熱前後で少しpH変化が認められた.そこでこの反応促進能がpHによるものか,あるいは鉱物自身の効果かを明らかにするため,種々のpHでの伸長効率を調べた,その結果を解析した結果,鉱物自身がなんらかの反応促進効果を持つことを明らかにした.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (9件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] 前生物的化学に基づいてRNAワールド仮説を検証する2009

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 雑誌名

      Viva Origino 37

      ページ: 31-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stability of ribonuclease A under hydrothermal conditions in relation to the origin-of-life hypothesis : Verification with the hydrothermal micro-flow reactor system.2009

    • 著者名/発表者名
      Kunio Kawamura, Hiroki Nagayoshi, Toshio Yao
    • 雑誌名

      Research on Chemical Intermediates 35

      ページ: 879-891

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of condensation agents and minerals for oligopeptide formation under mild and hydrothermal conditions in related to chemical evolution of proteins.2009

    • 著者名/発表者名
      Kunio Kawamura, Hitoshi Takeya, Takao Kushibe
    • 雑誌名

      Advances in Space Research 44

      ページ: 267-275

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱水分析技術の開発と化学進化研究への展開2010

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 学会等名
      生命の起原および進化学会第35回学術講演会
    • 発表場所
      公立はこだて未来大学(函館市)
    • 年月日
      20100315-20100317
  • [学会発表] 生命の定義と化学進化研究に基づいてリアルな原始生命体を描く2010

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 学会等名
      国際高等研究所フェロー(池原)研究会
    • 発表場所
      国際高等研究所(木津川市
    • 年月日
      20100226-20100227
  • [学会発表] タンパク質の化学進化と生命の熱水起原2009

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 学会等名
      国際高等研究所フェロー(池原)研究会
    • 発表場所
      国際高等研究所(木津川市
    • 年月日
      20091211-20091212
  • [学会発表] 生命らしさからみるRNAワールド2009

    • 著者名/発表者名
      川村邦男
    • 学会等名
      国際高等研究所フェロー(池原)研究会
    • 発表場所
      国際高等研究所(木津川市)
    • 年月日
      20090925-20090926
  • [学会発表] 原始地球環境におけるオリゴペプチド生成反応に対する縮合剤および鉱物の影響2009

    • 著者名/発表者名
      川村邦男, 竹家均, 櫛部崇夫
    • 学会等名
      2009年度日本地球化学会年会
    • 発表場所
      広島大学(東広島市)
    • 年月日
      20090917-20090921
  • [学会発表] 高温高圧溶液反応のリアルタイム高速分析法の展開2009

    • 著者名/発表者名
      安田知子, 永吉広樹, 竹家均, 八尾俊男, 川村邦男
    • 学会等名
      東京コンファレンス
    • 発表場所
      幕張メッセ(幕張)
    • 年月日
      20090902-20090904
  • [学会発表] 高温高圧マイクロフローUV-vis吸光光度法の開発:ベンジルアルコール酸化反応の追跡2009

    • 著者名/発表者名
      安田知子, 川村邦男, 八尾俊男
    • 学会等名
      第69回分析化学討論会
    • 発表場所
      和歌山大学(和歌山市)
    • 年月日
      20090516-20090517
  • [学会発表] 高温高圧溶液反応を用いたリアルタイム高速分析法の開発2009

    • 著者名/発表者名
      生駒佳祐, 安田知子, 八尾俊男, 川村邦男
    • 学会等名
      第48回フローインジェクション分析講演会
    • 発表場所
      大阪府立大学(堺市)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] In situ monitoring of fast chemical processes under the hydrothermal conditions2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuda Tomoko, Hiroki Nagayoshi, Toshio Yao, Kunio Kawamura^1
    • 学会等名
      2009年日中分析化学研究会
    • 発表場所
      幕張メッセ(幕張)
    • 年月日
      2009-09-01
  • [備考]

    • URL

      http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohkal/kawamura/kawamuramain.html

  • [産業財産権] 固体充填フロー型高温高圧液相反応装置およびオリゴペプチドの合成法2010

    • 発明者名
      川村邦男
    • 権利者名
      大阪府立大学
    • 産業財産権番号
      特許,特願2010-21576
    • 出願年月日
      2010-02-02
  • [産業財産権] オリゴペプチドの製造方法2009

    • 発明者名
      川村邦男
    • 権利者名
      大阪府立大学
    • 産業財産権番号
      特許,特願2009-248365
    • 出願年月日
      2009-10-29

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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