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2012 年度 実績報告書

陸水中におけるカルシウムの化学形態が森林生態系の物質循環におよぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20540477
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

越川 昌美(金尾昌美)  独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (80291045)

研究期間 (年度) 2008-04-08 – 2013-03-31
キーワード有機錯体カルシウム
研究概要

酸性降下物等により森林土壌からのカルシウム(Ca)流出が増加すると、Ca欠乏が動植物の生育に悪影響を及ぼすことが懸念されている。本研究では、水に溶解しやすく土壌に保持されにくい有機錯体CaによりCa流出が加速される可能性に着目し、「森林土壌から渓流に流出する溶存態Caは、Caイオンとして存在するのか、可溶性有機錯体として存在するのか」を明らかにすることを目的とする。
渓流水試料の有機錯体Ca濃度を求める方法として,イオンクロマトグラフで測定したCa濃度(CaR:Caイオン濃度と有機錯体Ca濃度の和)から電極法で検出されるCaイオン濃度(CaI)を差し引く方法を検討した。はじめに,CaIの定量誤差が有機錯体Ca濃度を上回ると,有機錯体Caの有無が判別できないことが懸念されたため,クエン酸-Ca錯体やEDTA-Ca錯体に関する室内実験結果を行った。その過程で,従来注目されてこなかった,電極リガンドが有機錯体CaからCaイオンを引き剥がしてCaIを過大評価する現象が明らかになった。
室内実験結果を総合すると,有機錯体Caの定量が可能となる条件は次のとおりであった。1) 電極法によるCaIの定量誤差(1mMで7%,0.1mMで11%,0.01mMで20%)よりも高い割合で有機錯体Caが存在すること。例えばクエン酸0.02mMの場合,CaRは0.06mM以下であること。2)電極リガンドが有機錯体CaからCaイオンを引き剥がしてCaIを過大評価する現象が問題とならないほどCaIが高いこと。例えばクエン酸0.1mMの場合,CaRは0.2mM以上であること。試料がこれらの条件を満たすか否かは試料中リガンドの質と量に依存するが,環境試料が1)と2)を同時に満たすことは希であり,渓流水試料中の有機錯体Caの定量は困難であることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 筑波山における渓流水中Ca濃度と集水域地質の関係2012

    • 著者名/発表者名
      越川昌美ら
    • 学会等名
      日本陸水学会第77回大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120914-20120917

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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