研究概要 |
超臨界高周波プラズマの基礎物性を明らかにし、ナノ材料生成における反応条件を最適化することを目的としている。そのために、まず、高周波プラズマを超臨界二酸化炭素中で安定して発生するための装置の改良を行った。特に共振器・電極・整合器について、ネットワークアナライザーを用いて各パーツの最適化を行った。またこれまでの予備検討に用いてきた超臨界反応セルはその容量が10mlと小さかったため、基盤の設置や,導入配管の設置が困難であったので、新たに50mlの超臨界反応セルを製作し、この反応セル用の共振器・電極・整合器についても最適化を行った。その結果、高周波電力の反射をほぼゼロまで下げることに成功した。現在、超臨界状態でのプラズマ発生に関して、最終調整を行っている。 基礎物性の解析についてはまず、超臨界二酸化炭素中でのプラズマの温度と密度の評価を試みた。温度についてはC2スワンバンド(~515nm)に着目し、計測されたバンドスペクトルを計算値と比較することで、温度を評価することに成功した。その結果、圧力とともに緩やかに温度は増加し、20MPaでは4500K程度であった。密度については酸素の線スペクトル(~777nm)の広がりから評価することを試みた。圧力と共に線スペクトルが広がっていることが明らかとなった。しかしながら、このような高い圧力下において、使用可能な理論がなく、密度の評価には到っていない。これらの結果は論文として出版された。
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