反応パラメータを様々に変化させて材料生成におけるプロセスパラメータの最適化と生成物の解析を開始した。超臨界二酸化炭素中のプラズマでは有機金属を投入することで、球状や棒状といった種々のナノ材料が産み出されることが明らかとなった。さらに、このような材料の生成量は圧力に強く依存していることがわかった。これらのことから、超臨界プラズマの反応場としての性質が圧力に強く依存しており、これらのことは圧力によって反応場を制御することが有効であることを示唆している。 さらに、新たな反応場として超臨界アルゴンを用いたプラズマの発生をも試みた。超臨界アルゴン中に発生させた高周波プラズマジェットに有機金属を投入することで、金属ナノワイヤーの作製に成功している。また、このようなプラズマ中でのアルゴンの線スペクトルの広がりを計測し、既存のファンデルワールス広がりの評価式と比較することで、1MPaを超える圧力で、この評価式が無効となることも示した。これらの結果は前年度までに得られた「超臨界二酸化炭素中における高周波プラズマの広がり」に関する知見を補強するものであり、新たな評価式また、アルゴンプラズマ中では誘電体バリア放電も発生することに成功し、このプラズマが高圧力下においても、なお、非平衡であることを示した。上述のプラズマと同様に、有機金属などを投入してナノ材料の作製に取り組んだが、現時点では明確な生成物を得るにいたっていない。
|