研究課題
平成21年度の実施内容と成果を以下に列挙する。1. 成膜中の気相および表面反応の経時変化を調べた。その結果、成膜開始後、放電およびスパッタは比較的短時間でほぼ定常状態に達するが、基板表面温度は長時間にわたって上昇し、膜堆積過程が成膜中に変化する可能性があることがわかった。膜質の精密制御には、基板表面温度を成膜中一定に保つ工夫が必要であることがわかった。2. 基板入射熱流束測定用サーマルプローブの製作と動作確認試験を行なった。ICP支援電力が増加するほどAZO膜の膜質が向上する原因を探るために、基板入射熱流束を調査した。前年度に開発したサーマルプローブをより小型のものに改良した結果、温度平衡型サーマルプローブとして使用する場合、数分の温度緩和時定数で熱流速を定量計測できるようになった。種々の条件下で熱流束を測定し、ICP支援スパッタリングにおける基板入射熱流束は主にICP支援電力で決定されること、通常成膜条件下での基板入射熱流束が数kWm^<-2>程度であることなどが判明した。3. バルクプラズマ診断法の開発とICP支援スパッタプロセスへの適用を行なった。(1) 平成20年度に開発済のホローカソードランプを用いた原子吸光分光システムを用いて、AlおよびZn原子の密度計測を種々の条件下で実施した結果、ターゲットおよび膜中のZnとAlの組成比が約50~100:1であるのに対し、気相でのZnとAlの密度比が約1000~10000:1であることがわかった。(2) 帯域幅15nm、出力5mW程度の深紫外LED(中心波長405nm)を吸収光源として、スパッタ基底準位Al原子の密度計測を行なった結果、LEDがAl原子の密度測定に十分使えることが確認された。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (17件)
電気学会プラズマ研究会研究会資料 PST-09-11-14・16-21
ページ: 23-28
Proceedings CD of the 19th International Symposium on Plasma Chemistry(ISPC19), edited by A.von Keudell, J.Winter, M.Boke, V.Schulz-von der Gathen, Bochum, Germany, July 26th-31st, 2009
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Proc.of 31st Int.Symposium on Dry Process, Busan Exhibition & Convention Center, Busan, Korea, September 24 to 25, 2009
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Proceedings CD of the 27th Symposium on Plasma Processing, Kaiyo Kinen Kaikan, Yokohama, February 1-3, 2010
ページ: 157-158
ページ: 159-160
メタルスパッタリングプラズマの高度化とその最新動向,基礎・材料・共通部門技術報告,No.1162(電気学会(電子図書館))
ページ: 52の内 39-42を分担