超LSIなどの電子デバイスでは大容量化などの要求が強く、0.1ミクロン以下の超微細加工などに関連した技術開発が盛んに進められている。量産レベルで所望の特性を得るにはプラズマを常に一定の状態に保つ精密な制御が必要なため、高感度なプラズマモニタリング法の開発が進められている。本研究では、ラジカルやイオンなどのプロセスに不可欠な粒子を生成する上で主要な役割を果たす電子について、その密度や温度などをモニタする技術の開発を目的として研究を進めた。 本研究では、従来から電子密度のモニタリング用に開発をした周波数シフトプローブの機能拡張を図り、電子温度のモニタリングに応用する技術開発を行うとともに、絶縁膜の堆積が周波数シフトプローブの動作に及ぼす影響やそれに対する対策について、昨年度に続き検討した。プローブにおけるシース効果を検討したところ、プローブ周辺をシース厚に比べて十分に厚い誘電体板で覆うことにより、密度校正を必要とするものの、一旦校正をしてしまえばシース幅にほとんど依存することなく電子密度の絶対値を正確に算出できることが示された。さらにプローブの共振周波数を複数とし、各共振周波数で異なるシース厚依存性を持たせることにより、電子密度と電子温度の両方を算出できることを明らかにした。
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