研究概要 |
n(100)-(111)系列のPt(311)n=2,Pt(511)n=3面の構造を、電気化学環境下でSXDを用いて決定した。 Pt単結晶電極は既存のバーナーを用いて直径1mmの白金線の一端を溶融・固化することで作製した。機械研磨後の単結晶面は、研磨歪みがあり原子レベルで規制されていない。この研磨歪みを除去するために酸素-水素炎中1500℃の温度でアニーリングを行った。SXD測定は、大型放射光施設sPring-8のBL13xuで行った。0.1M HClO_4中,0.10V(RHE)と0.50v(RHE)でSXDを測定した。使用したロッドは,(H,K)=(1,1)(1,-1)(0,1)(0,-1)(1,3)(1,-3)(-2,3)(-2,-3)(2,0)である。 Pt(311)面は,0.10Vおよび0.50V(RHE)において,表面が(1×2)に再配列していることが分かった。表面第一層と第二層の層間隔は,バルクと比べて0.8%縮小していた。この層間隔の縮小は,真空中のDFT計算から予測される値と比べて小さい。溶媒の水の吸着が層間隔に影響を及ぼしていると考えられる。一方,Pt(511)面は再配列せず,電位に依らず(1×1)構造であった。こちらの層間隔はバルクよりも36%縮小しており,Pt(311)面と比べて層間隔の変化が極めて大きい。Pt(311)面,Pt(511)面ともに,二重層領域の0.50Vと吸着水素領域の0.10Vでは,層間隔は変化しなかった。この結果は,吸着水素領域で層間隔が拡大する基本指数面とは異なる。
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