本研究では、放射光利用固/液界面に表面X線散乱(SXS)法を適用し、その測定の高速化を実現するために、ならびに比較的輝度の低いベンディングマグネットビームラインにおいても時間分解能高くSXSその場測定が可能となるように、新規にSXSその場測定用電気化学セルを設計/作製する事を目的としている。 本年度は、SXS測定用新規電気化学セルを設計/作製し、その試運転のため既知の構造である、Au(111)およびAu(100)単結晶電極の再配列構造、酸化膜の構造およびその還元除去後の構造を確認した。ベンディングマグネットビームラインでは、輝度が低く溶液通過距離をもう少し短くする必要があることが分かった。この点について次年度に改善を講じる予定である。また、別途既存のセルにおいて、Au(111)上にUPD形成させたAg超薄膜の構造安定性について、およびAu(111)上にUPD形成させたAg超薄膜上にてアルカンチオール自己組織化単分子層を還元脱離させた際の表面構造変化をSXS測定により追跡した結果について、報告し論文としてまとめた。
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