研究課題
本年度も引き続き、含遷移金属活性種の高分解能分光による研究をより複雑な系に適用すべく研究を進めたほか、ナノクラスターへの研究拡大を目指し、分光器の高感度化およびレーザーアブレーション装置の開発を行った。昨年までのレーザーアブレーション装置の更なる高感度化を進め、最終的にテスト分子CuClのスペクトル強度を当初より2桁改善することに成功した。これは、測定時間を当初の1/10000程度に短縮できることを意味する。また、レーザーアブレーションとパルス放電を同時に行えるシステムを構築した。現在、上記のCuClのほかより複雑な構造を様々な活性種を使って最終的な調整を進めており、ノズルや放電電極の材質や形状、および最適実験条件等に関する基礎データの蓄積を行っている。本年度までの開発により、FTMW分光器を中心としたシステムがほぼ完成した。まだ多少の改善が必要な点があるものの、現在までに得られた性能はほぼ当初の期待に沿うものであり、これにより高分解能分光法のマイクロクラスター研究への拡張に対して一つの目途が立った。
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Low-energy vibrations of the group 10 metal monocarbonyl MCO (M=Ni, Pd, and Pt) : Rotational spectroscopy and force field analysis
巻: 115 ページ: 1869-1877
Chem. Phys. Lett.
巻: 492 ページ: 25-29