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2008 年度 実績報告書

NOE効果を用いたイオン液体中の水及びベンゼンのイオンによる溶媒和構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20550014
研究機関京都大学

研究代表者

若井 千尋  京都大学, 化学研究所, 助教 (40293948)

研究分担者 中原 勝  京都大学, 化学研究所, 教授 (20025480)
松林 伸幸  京都大学, 化学研究所, 准教授 (20281107)
キーワードイオン液体 / 溶媒和 / 液体構造 / 水 / NOE / NMR
研究概要

『イオン液体』は塩でありながら常温で液体であり、新しい溶液反応場として注目されている。反応速度や選択性が有機溶媒及び水中と異なるとの報告が数多くなされている。しかし、反応分子がどのような状態でイオン液体の中に溶存しているか、どのように正と負の溶媒イオンによって溶媒和されているかは分かっていない。そこで、本研究によって1H-及び19F-NOE効果を用いることにより、溶液構造を明らかにすることが大きな目的であった。本年度は、1H-NOE効果を用いることにより溶媒の溶存状態を解析した。カチオンに多く含まれる水素原子のNOE効果を観測した。その結果、同じ正の電荷を持って、静電気的には反発しているにもかかわらず、カチオン間の水素原子は非常に近くに存在できることを明らかにした。カチオンから見た液体構造は、カチオンの面が平行な構造と反平行な構造をとり、その揺らぎによって水素原子間距離が近くに存在しうるものと結論した。また、イオン液体中での反応の研究において、不純物の存在、特に強酸が存在すると強く水分子と相互作用してしまうため、この存在量の定量と除去方法の確立がもう一つの目的であった。これまで微量の強酸不純物の定量法はなかった。我々は微量の水を指示薬として用い、その化学シフトの水濃度依存性を用いることによって極微量の強酸不純物の定量することに成功した。さらに、この強酸不純物を除去するのに有機溶媒を用いた再結晶法が非常に有効であることを初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Water as an in Situ NMR Indicator for Impurity Acids in Ionic liquids2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Yasaka, C. Wakai, N. Matubayasi, M. Nakahara
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry 81

      ページ: 400-407

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cholesterol Location and Orientation in Aqueous Suspension of Large Unilamellar Vesicles of Phosholipid revealed by Intermolecular Nuclear Overhauser Effect2008

    • 著者名/発表者名
      C. Giordani, C. Wakai, K. Yoshida, E. Okamura, N. Matubayasi, M. Nakahara
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry B 112

      ページ: 2622-2628

    • 査読あり
  • [学会発表] Kinetics and Equilibrium of the Reversible Formic Acid Decomposition in Hot Water2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Yasaka
    • 学会等名
      15th International Conference on the Properties of Water and Steam
    • 発表場所
      Berlin, Germany
    • 年月日
      2008-09-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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