• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

有機半導体・強磁性金属界面の電子構造とスピン注入効率:有機スピン素子をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 20550015
研究機関京都大学

研究代表者

吉田 弘幸  京都大学, 化学研究所, 助教 (00283664)

キーワード有機半導体 / スピントロニクス / 電子構造 / 有機・金属界面 / 分子性固体 / 薄膜構造
研究概要

以下のように、金属と有機薄膜の界面電子構造と構造について検討した。また有機スピン素子の作製を行い、磁気抵抗測定を試みた。
1. 有機・金属界面電子構造の測定
強磁性金属と有機半導体界面でのキャリアー注入障壁を紫外光電子分光法により測定した。ペンタセンとパーマロイについては、ホール注入障壁は0.1 eV程度と低いことがわかった。これはパーマロイの仕事関数が約5 eVと高いことを反映していると考えられる。
2. 金属表面上の有機半導体蒸着膜の薄膜構造・分子配向測定
金属表面上に作成した有機半導体膜の構造や分子配向を調べ、スピン伝導性との関連を調べることを目的とし、薄膜構造・分子配向の測定法を検討した。
測定手法には、X線構造解析と赤外反射吸収分光(IRRAS)を用いた。パーマロイ上に作成したペンタセン薄膜の構造と分子配向を調べた結果、ペンタセンはパーマロイ上で「薄膜相」と呼ばれる構造多形をとり、分子は金属表面に対して立っていることがわかった。IRRASによる試行測定では、Au(111)面上に蒸着したビスベンゾペンタチエノアセンについては、分子配向と膜厚の関係を詳しく調べることができた。
3. 有機スピン素子の作製・測定
これまで、多くの有機スピン素子では強磁性金属層と有機半導体層を順に蒸着した「縦型」素子で研究が行われてきたが、本研究では、「良く既定された界面」を作ることができる「横型」素子の開発を試みた。強磁性金属としてパーマロイを選び、微細加工技術により、ギャップ長20-50 nmの電極を作製した。有機半導体にはペンタセンを選び、蒸着してを磁気抵抗測定を試みたが、素子抵抗が高いため測定できなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Au表面上のビスベンゾペンタチエノアセン真空蒸着膜の構造2008

    • 著者名/発表者名
      吉田弘幸, 渡津裕次, 佐藤直樹, 河邉英司, 山根宏之, 金井要, 関一彦, 岡本敏宏, 山口茂弘
    • 学会等名
      有機結晶シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] ビスベンゾペンタチエノアセン薄膜の膜厚による構造変化2008

    • 著者名/発表者名
      吉田弘幸, 渡津裕次, 佐藤直樹, 河邉英司, 山根宏之, 金井要, 関一彦, 岡本敏宏, 山口茂弘
    • 学会等名
      第2回分子科学討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] ビスベンゾペンタチエノアセン(B5TB)薄膜の構造2008

    • 著者名/発表者名
      吉田弘幸, 渡津裕次, 佐藤直樹, 河邉英司, 山根宏之, 金井要, 関一彦, 岡本敏宏, 山口茂弘
    • 学会等名
      第69回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      2008-09-04

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi