有機半導体と金属の界面電子構造と有機薄膜構造を詳細に調べ、これを有機半導体へのスピン注入効率と関連付ける。このため、以下の3つの観点から研究を推進する。 (1)有機薄膜と金属電極界面の電子構造 有機・金属界面の電子構造を光電子分光法により測定し、ホール・電子の注入効率を調べる。従来の研究手法を単純に適用するだけではなく、従来からの当該分野の本質的課題の解決をも視野に入れた研究を目指す。 (2)薄膜の結晶構造 有機薄膜の伝導性や移動度などの物理パラメータは、大きな異方性を示し結晶構造にも依存することが知られている。そこで、金属表面上に作成した有機半導体膜の構造や分子配向を調べる。薄膜構造・分子配向、さらには有機薄膜の「質」を評価する測定法の検討や開発も行う。 (3)有機・金属界面のスピン注入効率 有機薄膜と金属界面でのスピン注入効率を調べ、上記の界面電子構造・薄膜構造と関連付ける。
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