有機半導体と金属界面の電子構造を光電子分光法により調べた。特に、X線光電子分光法の測定データと多変量解析(target factor analysis)を組み合わせることで、物質の内殻エネルギー準位を深さの関数として調べる新しい解析法を開発した。この方法により、有機半導体と金属の埋もれた界面の電子構造を調べることに成功した。さらに、有機半導体(固体)の表面とバルクにエネルギー準位が0. 3 eV程度あることを証明する実験的証拠を提出し、近年の論争に決着をつけただけでなく、そのエネルギー差の起源についても研究を進めた。
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