研究概要 |
昨年度は,申請当初の計画を変更し,市販の走査型電子顕微鏡を購入し,その高圧電源・ケーブル・電子銃・鏡頭部ならびに真空ポンプを流用する事に決定し,それに伴い全体的な設計変更を行った。今年度は,以下のような主要部分の個別部品の設計図面を描き,製作を発注した。 ・ 昨年度購入したデジタルカメラを固定するためのシステムを製作した。これは,カメラの光軸の位置と向きの4つの自由度の微調整に加え,カメラの前後位置の微調整が可能なものになっている。 ・ 散乱電子の検出に用いるプラスチックシンチレーターを購入した。これは,帯電を防ぐために表面に薄くアルミを蒸着したものである。 ・ 上記プラスチックシンチレーターを電子顕微鏡本体内部に固定する部品を製作した。電子顕微鏡に大幅な改造を施さなくて済むように,プラスチックシンチレーターが本体底部に置かれる設計にした。 ・ プラスチックシンチレーターから発する光を電子顕微鏡の外部に導くため,平面鏡を用いることにした。それに必要な高精度の平面鏡を設計し発注した。また,平面鏡を本体内に固定する部品の設計と製作を行った。 ・ 気体ノズルの直上につけて「かぶり」を軽減するためのノズルスリットと,それを固定するための部品を設計し,製作した。 ・ 上記の内,電子顕微鏡内部で使用する部品は,金属の残留磁場による電子ビームへの影響を最小限にするため,原則としてステンレスは用いず,真鍮とアルミを用いてある。
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