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2008 年度 実績報告書

アルケンのチイラン化を志向した新規な硫黄原子導入試薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20550032
研究機関埼玉大学

研究代表者

杉原 儀昭  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00272279)

キーワード硫黄原子導入 / アルケン / チイラン / トリフェニルメタンスルフェニル / サッカリン / 1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシド / シリカゲル / 固相反応
研究概要

本申請研究は,アルケンをチイラン化する新規で汎用性のある硫黄原子導入剤を開発することを目的とする.
銀塩AgXを用いてPh3CSCI(1)をPh3CSXに変換することを検討した,AcOAgとともにノルボルネンやビピリジンなど銀塩を有機溶媒に可溶にする添加剤を加えて反応を低温で行うと,Ph3CSOAc(2)を収率よく得ることができた.2は1よりも反応性が低く取り扱いやすく,TsOHなどの酸存在下である種のアルケンをチイラン化した.
1,1'-ジチオビス(lH-l,2,4-トリアゾール)(3)を用いたアルケンのチイラン化反応を検討し,2-アダマンチリデン基や9-ベンゾノルノルネニリデン基など嵩高い置換基が結合した四置換アルケンがチイラン化できることを見いだした.また,cis-およびかtransシクロオクテンのチイラン化が立体化学を保持して進行することから,本硫黄原子導入剤を用いると立体特異的にアルケンをチイラン化することがわかった.3の取り扱いにくさを克服するため,炭素上に置換基を持つ1,2,4-トリアゾールを出発物質として合成を検討したが,望む硫黄原子導入剤を得ることはできなかった.
ある種のアルケンを1,2-ベンゾジチオール-3-オン3,3-ジオキシド(4)と市販のシリカゲルと一緒に乳鉢中,乳棒ですりつぶしたのち,室温で放置するとアルケンが硫化されることを見いだした.アルミナ,モレキュラシーブスやスルホン酸型陽イオン交換樹脂などをシリカゲルの代わりに用いてもアルケンのチイラン化は進行しなかったが,4の分解は観測された.また,(t-Buo)3sioHや(t-Buo)2si(oH)2を用いてもアルケンのチイラン化は進行しなかったが,前者では4が定量的に回収され,後者では4が定量的に分解した.

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Sulfuration of 2'-Adamantylidene-9-benzonorbornenylidene2009

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Heterocycles 78

      ページ: 103-115

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of a Metal Salt on Thiiranation of 2'-Adamantylidene-9-benzonorbomenylidene with 4,4'-Dithiodimorpholine and Acetic Anhydride2009

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Heterocycles 78

      ページ: 325-330

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Thrrmal Decomposition of Thiirane 1-Imides of 2'-Adamantylidene-9- benzonorbornenylidene2009

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Heterocycles 78

      ページ: 331-336

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thiiranation of 2'-Adamantylidene-9-benzonorbomenylidene Using 4,4'-Oligothiodimorpholine and Bronsted Acid2009

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Heteroatom Chemistry 20

      ページ: 12-18

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reactions of 9,9'-Bibenzonorbornenylidene Sulfoxides with TMSOTf: Anomalous Pinacol-type Rearrangement of Thiirane 1-Oxides2009

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Heteroatom Chemistry 20

      ページ: 29-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thiiranation of 2'-Adamantylidene-9-benzonorbornenylidene and cis- and trans-Cyclooctenes with 4,4' -Dithiodimorpholine in Acetic Anhydride2008

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 37

      ページ: 1176-1177

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New Synthesis of 1,2-Thiazetidines of anti-and syn-9,9'-Bibenzonorbornenylidenes2008

    • 著者名/発表者名
      杉原儀昭
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 37

      ページ: 1234-1235

    • 査読あり
  • [学会発表] 酸によるN,N'-オリゴチオジアミンの硫黄原子増減反応2009

    • 著者名/発表者名
      玉井美奈子
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キヤンパス
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシドとシリカゲルを用いた固相での四置換アルケンのチイラン化反応2009

    • 著者名/発表者名
      齋木彩
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キヤンパス
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] トリアリールメチルスルファニル基を持つ新規な硫化試薬の合成と反応2008

    • 著者名/発表者名
      新井雅俊
    • 学会等名
      第35回有機典型元素化学討論会
    • 発表場所
      首都大学東京南大沢キャンパス
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 酸による4,4'-オリゴチオジモルホリンの硫黄原子増減反応2008

    • 著者名/発表者名
      玉井美奈子
    • 学会等名
      第35回有機典型元素化学討論会
    • 発表場所
      首都大学東京南大沢キャンパス
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 1,1'-ジチオビス(1H-1,2,4-トリアゾール)や関連化合物を用いたアルケンのチイラン化2008

    • 著者名/発表者名
      恩田馨
    • 学会等名
      第35回有機典型元素化学討論会
    • 発表場所
      首都大学東京南大沢キャンパス
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 電子吸引性基が窒素原子上に結合したジアミノジスルファンを用いた硫化反応2008

    • 著者名/発表者名
      星野裕一
    • 学会等名
      第35回有機典型元素化学討論会
    • 発表場所
      首都大学東京南大沢キャンパス
    • 年月日
      2008-12-11
  • [学会発表] 3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシドとシリカゲルを用いた固相でのアルケンの硫化反応2008

    • 著者名/発表者名
      齋木彩
    • 学会等名
      第38回複素環化学討論会
    • 発表場所
      広島県民センターふくやま
    • 年月日
      2008-11-22

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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