研究概要 |
本研究では、剛直な基本構造シクロファンにドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)ωを三次元的に配置した基本ユニットであるD-preS、preS-A系 pre-分子フォトダイオードを開発し、ポリピリジン金属錯体化により光増感部(S)が構築可能なD-S-A三元系分子フォトダイオードデバイスを創出することを目的としている。ドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)を非共平面(直交)あるいは共平面に二次元的に配置した二次元preS-D系及びpreS-A系分子を開発し、ドナー(D)、光増感前駆体(preS)、アクセプター(A)を三次元的に配置した系との比較により、剛直な基本構造シクロファンが果たす役割を検証することにした。 ポリピリジン金属錯体化のための高い金属配位能を有する4,5-ジアザフルオレンとアクセプター(A)部としてジシアノエチリデン(dicyanoethyhdene)等のシアノキノエチリデン部位を共平面上に配置した二次元preS-A系分子を、マイクロ波照射合成法により短時間且つ高収率で合成した.合成したpreS-A系は、弱い分子内電荷移動相互作用及びエレクトロクロニズムが存在することが、電解スペクトル測定より明らかになった。また、4,5-ジアザフルオレンとドナー(1))部としてTTF部位が平面構造あるいは直交構造に配置した二次元preS-D系分子を合成し、ルテニウム(II)錯体を合成し、その電気化学的及び分光学的物性についても測定した。 ドナー(D)、アクセプター(A)を三次元的に配置した系として剛直な基本構造であるパラシクロファンにドナー(D:1,3-dithiole-2-ylidene(DT)、2-methylidene-1,3-dithiolo[4,5-d]-tetrathiafulvalene(DT-TTF))あるいはアクセプター(A:dicyanoethylidene、cyanoethoxycarbonylethylidene)を導入した三次元D-Spacer-A系分子を合成することに成功した。
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