研究概要 |
今年度は,次に示す二つの成果を挙げることができた。 1)熱応答性高分子を被覆した金ナノクラスター(粒子径が5nm以下の金ナノ粒子)に熱刺激を加えることで,粒子径80nm程度を有する金ナノ粒子が生成することを見出した。この現象をナノプロセッシングと命名し,ナノプロセッシングが生じる条件について検討した。検討の成果を特許申請することができた。 2)粒径が約13nmの金ナノ粒子を用いて蛍光センサーを開発した。この蛍光センサーは約13nmの金ナノ粒子の表面に蛍光分子を吸着させ,更に熱応答性高分子で被覆しておく。チオール化合物がない場合,熱刺激を加えても蛍光分子の遊離は起こらないが,グルタチオンなどのチオール化合物が共存すると,熱刺激に応じて蛍光分子が遊離し,蛍光が回復する。回復した蛍光の強さは,チオール化合物の濃度に依存して大きくなる。
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