研究概要 |
研究期間の最終年度のなる今年度は次に示す成果を上げることができた。 1)熱刺激とチオール化合物の添加とによる二段階スイッチを用いる薬剤放出機能を有するナノキャリアを創製することができた。このナノキャリアは,システインやグルタチオンといった生体関連のチオール系アミノ酸の共存下において,熱刺激を加えることでモデル薬剤であるフルオロフォアを放出する。このナノキャリアは,蛍光プローブとしてだけではなく,ドラッグデリバリーシステムにも応用が期待される。 2)分析対象物を介した三元系複合体の相転移挙動を利用する新しいセンシングシステムを構築した。(これについては現在特許出願を検討中である) 3)昨年度の研究により見出された熱刺激による金ナノ粒子の融合現象に基づいて,新しい磁性ナノ粒子への金被覆方法を開発することができた。この方法は鉄ナノ粒子表面に有機物層を介さずに直接金の箔層を堆積することができた。 4)3年間で得られた成果を中心とした総説を執筆した(研究成果雑誌論文)。
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