研究概要 |
色素分子の溶媒極性による色変化を利用し、匂い成分のセンサの開発を行った。色素含有の濾紙を用いたRGB変化による判別を行い有効な色素を探索し、次にその色素を光ファイバに塗布し光強度の変化による簡易な装置の開発を行った。また同時に感度の向上のため実験装置の改良等を行った。 応答実験:作成したファイバ膜と二股型ファイバを接続し、10分間空気に曝した後、5分間におい成分に曝し、再び10分間空気に戻した。このとき各時間での光強度を測定した。BTBでは酢酸ガスで一番応答量が大きくなった。これはBTBがpH指示薬として使われている色素であるため、酸性である酢酸に対して大きな色変化を示したと考えられる。またR-dyeでは各匂い成分で応答の形が異なっていた。これはR-dyeが溶媒によって色が変わる色素であることが要因と考えられる。この2種類の色素と3種類の匂い成分による主成分分析により匂い成分の分布が確認された。 次に,この2種類の色素を混合し,応答膜とした.それぞれの色素単独の場合と比べて,応答は複雑になったが,単独色素膜の加算で評価する事ができ,バンドル化の効果を確認できた.感度の向上と精度の向上を目指し,ランプ光源の改良を試みた.光源には青色成分の強い光源を用いた方が,応答感度が向上し,さらに,安定化電源を用いる事で,数10の光強度の変化を安定的に得ることができ,におい成分の濃度に換算して,数ppmの感度を達成できた.
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