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2008 年度 実績報告書

環境応答型高分子の創製と貴金属イオン抽出システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20550089
研究機関甲南大学

研究代表者

茶山 健二  甲南大学, 理工学部, 教授 (10188493)

キーワード温度感応性高分子 / 貴金属イオン / モノアザジチオエーテル / 金属イオン捕集 / 溶媒抽出 / 錯形成反応
研究概要

本年度は申請者を中心に大学院1年生1名、2年生2名で研究体制を敷いた。また、連携研究者としては、機能分子化学科環境・計測化学研究室岩月聡史講師に合成反応に関する助力を仰いだ。申請者及び院生1名はまず、貴金属イオンを捕捉する部位であるモノアザジチオエーテル誘導体の合成に取りかかり、モノアザジチオエーテルの一種であるATUを既報(茶山ら、分析化学、Vol. 47, pp. 1077-1083)に従い合成し、首尾良く目的物質を得た。そして、ATUにアクリロイル基を誘導した中間体を合成するとともに、NIPAAmモノマーとATUにアクリロイル基を誘導した中間体を重合比を変え反応させて、ATU-PNIPAAm共重合体を合成した。
合成したポリマーは下限臨界共溶温度(LCST)をもち、その温度以上で脱水和して凝集することが予想されたので、これらの物性を調べるとともに高分子中に含まれるATUユニットの含有量をICP発光分析法により正確に求めた。
申請者と岩月講師及び院生2名はATUを高分子中に含まないPNIPAAmを合成し、ATU単体を用いて金属-ATU錯体のイオン対を捕集する実験を行った。また、申請者及び院生の合成したATU-PNIPAAmによる金属イオンの捕集挙動とを比較評価した。その結果、高分子中のATUユニットの数が抽出される金属イオン(特に銀(I)イオン)濃度に比例することが明らかとなり、化学量論的な抽出反応が起こっていることが見いだされた。また、この他にATUを用いた液液抽出法による金属イオンの抽出実験も行い、その結果と本研究で合成した環境応答型高分子との比較評価も検討した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Thioetlier units incorporated Poly-N-isoporpylacrylamide as an extraction media for soft metal ions.2008

    • 著者名/発表者名
      K. Chavama. Y. Morita S. Iwatsuki
    • 雑誌名

      Proceedings of International Solvent Extraction conference 2008

      ページ: 1585-1590

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モノアザテトラチオエーテルユニツトを含有する温度感応性高分子による銀(I)イオンの抽出挙動2008

    • 著者名/発表者名
      森田吉亮, 岩月聡史, 茶山健二
    • 雑誌名

      Mem. Konan Univ., Sci. & Eng. Ser. 55(1)

      ページ: 53-63

    • 査読あり
  • [学会発表] モノアザテトラチオエーテルユニツトを含有する温度感応性高分子による金属イオンの捕集挙動2008

    • 著者名/発表者名
      森田吉亮, 岩月聡史, 茶山健二
    • 学会等名
      第27回溶媒抽出討論会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20081000
  • [学会発表] モノアザテトラチオエーテルユニツトを含有する温度感応性高分子によるソフトな金属イオンの捕集挙動2008

    • 著者名/発表者名
      森田吉亮, 岩月聡史, 茶山健二
    • 学会等名
      日本分析化学会第57年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080900
  • [学会発表] マイクロフルイディクスを用いたモノアザテトラチオエーテルによるイオン対抽出の速度論的解析2008

    • 著者名/発表者名
      大柳典子、岩月聡史、永井秀典、脇田慎一、茶山健二
    • 学会等名
      第18回化学とマイクロ・ナノシステム研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-12-07
  • [学会発表] 蛍光性発色団を誘導したモノアザテトラチオエーテルによる銀(I)イオンの溶媒抽出2008

    • 著者名/発表者名
      一山敦史、岩月聡史、茶山健二
    • 学会等名
      第27回溶媒抽出討論会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-10-12
  • [学会発表] 蛍光性発色団を誘導したモノアザテトラチオエーテルの合成と銀(I)イオン溶媒抽出2008

    • 著者名/発表者名
      一山敦史、岩月聡史、茶山健二
    • 学会等名
      日本分析化学会第57年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-09-12
  • [学会発表] マイクロフルイディクスとモノアザテトラチオエーテルによる金属イオン抽出の評価2008

    • 著者名/発表者名
      大柳典子、岩月聡史、永井秀典、脇田慎一、茶山健二
    • 学会等名
      日本分析化学会第57年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-09-12
  • [図書] 「先進化学センサ」ガス・バイオ・イオンセンシングの最新技術2008

    • 著者名/発表者名
      茶山健二 (共著)
    • 総ページ数
      365
    • 出版者
      株 TIC

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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