| 研究概要 |
(1)NiおよびPd触媒によるクロスカップリング反応を用いて、未だ報告例のない、1-azabicyclo[1.1.0]butane (ABB)の3位での炭素-炭素結合反応を見出すことを目的としている。この反応の開発に先立ち、ABBの反応性を解明するため、各種求電子試薬との反応を確認する。この結果を参考に目的のクロスカップリング反応を実施することになるが、もし反応が進行しない場合は、その理由と副生物の生成機構を解明し歪んだ環状化合物でのクロスカップリング反応における反応形式を解明する。
(2)アルキルリチウムを用いた閉環方法で、2-bromomethylpyrrolidine臭素酸塩もしくは3,4-dibromobutylamine塩酸塩から効率的に1-azabicyclo[3.1.0]hexane(ABH)を合成する方法を確立することが目的である。収率等、従来法との比較も重要で、これも実際に行って確認する。
(3)アルキルリチウムを用いた閉環方法で1-azabicyclo[2.1.0]pentane(ABP)を合成することが目的である。ABPは現在までに合成されていないことから、かなり困難であることが予想される。閉環反応が進行しない場合は、その理由と副生物の単離同定までを行う。
(4)ABHの反応性についての報告は少なく、ABPの報告例は全くない。これら化合物の反応性を系統的に比較し、ABBとの反応性の違いを確認することが目的である。
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