研究課題
銀を探針として用いる走査型トンネル顕微鏡(STM)よる分子像の観察と、レーザー光の照射によりこの探針の表面に励起される表面プラズモンを励起光として用いる単一分子のラマンスペクトルの測定について検討を行った。Nanosurf社のSTMとArレーザー(513.5,488nm)、固体グルーンレーザー(532nm)、冷却CCD検出器を組み合わせて装置開発を行っている。また、ラマン散乱の表面増強効果のあるAg探針を機械的あるいは電気化学的研磨により先鋭化し探針を作成する方法について検討した。STM観察においては電解研磨したAg探針によりHighly Orientated Pyrolytic Graphite(HOPG)の原子像の観察には成功した。しかし、Ag等の基板表面に吸着させた分子の像の観察には成功していない。ラマンスペクトルの測定においては、Ag探針の表面に直接ローダミンを吸着させる方法では表面増強効果により良好なラマンスペクトルが観察されることが確認できたが、Ag基板の表面に吸着させたローダミンにAg探針を接近させる方法では、まだスペクトルの測定に成功していない。次に、銀コロイドで表面をコートしたポリスチレンやポリメタクリル酸メチルの微粒子を用いる表面増強ラマンスペクトルの測定について検討した。レーザートラップ法で粒子を捕捉しつつ、表面に吸着したローダミンの表面増強ラマンスペクトルを測定することに成功した。
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Langmuir 26(印刷中)
J.Phys.Chem.B 113
ページ: 12456-12461
http://acbio2.acbio.fukui-u.ac.jp/koubun/maeda/indexJP.html