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2009 年度 実績報告書

デルタアミノ酸関連ペプチドの合成と構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20550112
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岡 勝仁  大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (70203966)

研究分担者 平野 義明  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80247874)
キーワード高分子構造・物性 / 生体分子 / 理論化学
研究概要

N-(2-アミノエチル)-グリシンのβ位の炭素原子を窒素原子に置換したデルタアミノ酸、およびその側鎖誘導体を対象として、回転可能なすべての二面角の格子点構造について、Gaussian03を用いた非経験的量子化学計算を行い、詳細なコンポメーション解析を試みた。主鎖に存在する窒素原子のため、これまで研究対象とされてきた通常のデルタアミノ酸とは異なる、特異なコンボメーション特性を有していることが明らかになった。コンボメーション変化による各原子の荷電状態、結合角、結台長の変化について詳細な知見が得られた。分子生物学分野において前提とされている構造に必ずしも限定されないことを示唆するという興味深い結果となった。
さらに比較のために、新規の構造と物性が期待されるベータアミノ酸、ガンマアミノ酸等についても同様の検討を試みた。主鎖部分に二重結合を有する場合は、ベータアミノ酸やデルタアミノ酸において、N端とC端に存在するペプチド結合部分を含めて、主鎖部分にπ電子の共役構造が出現し、かつ、この構造が唯一の安定なコンポメーションであることが明らかになった。この結果は、このアミノ酸残基からなるポリペプチドは、ポリアセチレンと同様のπ電子共役系を有する導電性高分子となることを強く示唆している。また、π電子の共役構造が出現しないアミノ酸の場合においても、延伸した主鎖コンポメーションが安定となる特性を有することが明らかになった。いずれも、機能性高分子材料開発の新領域を切り拓く興味深い知見といえる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Theoretical conformation analysis of peptides having double bonds in main-chain2010

    • 著者名/発表者名
      T.Kawaguchi, Y.Hirano, M.Oka
    • 雑誌名

      Peptide Science 2009

      ページ: 443-446

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子化学計算による主鎖共役性ペプチドの理論的設計2009

    • 著者名/発表者名
      岡勝仁
    • 学会等名
      日本コンピュータ化学会2009秋季年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] Theoretical design of new artificial polypeptides having conjugated characters2009

    • 著者名/発表者名
      T.Kawaguchi, Y.Hirano, M.Oka
    • 学会等名
      The 1^<st> FAPS Polymer Congress
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-10-21
  • [学会発表] 4-アミノ-2-ブテン酸残基からなるペプチドのコンホメーション特性の理論的解析2009

    • 著者名/発表者名
      川口拓也、平野義明、岡勝仁
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] 理論化学による主鎖共役性ペプチドの分子設計2009

    • 著者名/発表者名
      岡勝仁
    • 学会等名
      第24回生体機能関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2009-09-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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