研究課題
側鎖に安息香酸エステル部位を持つスチレン共重合体を過剰のヒドラジンで処理したところ、定量的にヒドラジド化された。これをNMP-水-DMAc混合溶媒中でoxoneと、あるいは、DMAc中でジアセトキシヨードベンゼンと処理したところ、架橋して溶媒不要のポリマーが得られた。架橋体は、DMAcで膨潤させた状態で次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理したところ、酸化分解によって脱架橋され、溶媒可溶のポリマーとなった。これは、TMSジアゾメタンで処理することにより元のメチルエステルを側鎖に有するポリマーに戻すことができた。同様の反応を、スチレン-アクリル酸メチル共重合体で行なうことができた。一連の反応で回収されたスチレン-アクリル酸メチル共重合体は、再び酸化的架橋-脱架橋系に供することができた。ジヒドロクマリンからジアシルヒドラジン部位を有するフェノール性硬化剤を合成した。これをエポキシ樹脂と混合し、80℃程度まで加熱すると均一な混合物を与え、ここにイミダゾールを添加したところ、硬化し、熱可塑性の硬化体を与えた。硬化体はガラスや金属を接着することができ、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理すると分解する、酸化分解性接着剤として利用可能であった。様々なビスヒドラジドを合成した。その結果、5-t-ブチルイソフタル酸から合成したヒドラジドに最も高い溶解性が見られた。MDIとジオールとの重付加によるポリウレタン合成系で、ジオールの10%をこのビスヒドラジドに置き換えて重付加反応を行なった。その結果、アシルセミカルバジドを導入したポリウレタンが得られた。この変性ポリウレタンを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理したところ、アシルセミカルバジド部位の割合の低下は見られたものの、完全な分解には至らなかった。
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