研究概要 |
1.水素結合連鎖のらせん反転機構(遷移状態)の分子論 ポリペプチドにおけるα-ヘリックスらせんの巻き替えに伴う水素結合変換の遷移状態について、理論解析を継続している。マックスプランク高分子研究所のSpiess教授のグループに固体^<13>C-NMRによる転移挙動の観測を依頼している。 2.固相状態におけるらせんセンス反転の特徴と側鎖構造の関連 PPLAおよび長い側鎖(e.g.,C_<18>)では、不可逆なα-π転移、中間の長さでは可逆なα-πの転移が観察されている。可逆性が集合系の体積変化と密接に関連しており、PVT解析にかけるに足るだけの試料を確保すべく、サンプル調整に注力した。一方、PBLG、PPLAなどの液晶状態を利用して高配向試料(フィルム)を調整し、圧電特性と分子のらせん性との関連を検討すべく、エレクトロスピニング法で得たサンプルの配向特性を解析中である。 3.糖鎖をスペーサーに用いた主鎖型液晶の合成と特性解析 水素結合能を付与した主鎖型液晶を合成し、相転移挙動とPVT特性を知ることを目的としている。エリスリトールなどの糖アルコールの両末端をトシル化して、メソゲン基を導入しようと試みているが、一級、二級OH基の反応性が近く、第一段階で難航している。
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