(1) ネットワーク化された非線形素子が示す時空間発展現象に関する相図の作成 分布密度や幾何学的な形状(又は異方性)を指標として、平成20年度の研究で得られた非線形素子を反応場上に配列し結合した。これによりマイクロレベルの非線形素子が反応場格子上の表面状態や形状に適応した挙動が観測され、センチメートルレベルまで時空間発展する様相パターンの相図を作製した。特に結合振動子間の同調パターンや、局所的な化学刺激に対する走化性、様相変化のスイッチング現象、反応場の形状や異方性と様相モードとの関係、及び電場又は光照射制御に注目して実験系を改良した。 (2) 時空間発展現象の微視的レベルでの反応追跡と物理化学的考察 反応場中の各ポイントの反応液を抽出し、膜の構造的評価と吸光光度計による拡散・反応・物質輸送を追跡した。また熱力学的な考察のためにサーモグラフィーによる空間的な温度測定や、原子間力顕微鏡(現有機器)等によるフォースカーブや粘弾性の測定により、微小領域の表面状態を評価し、個々の非線形素子とこれらの素子の結合による協同反応を物理化学的に解明した。
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