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2008 年度 実績報告書

強磁場固体NMによる触媒構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20550132
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

清水 禎  独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, グループリーダー (00354366)

キーワード触媒 / NMR / 多核NMR / 強磁場 / 構造解析
研究概要

【研究目的】本研究の目的は、物材機構に既存の強磁場固体NMR装置を利用して、従来のNMR技術では磁場強度が足りなかったために研究対象から除外または敬遠されてきた多くの元素、特に四極子核を高精度で観測し、本来NMRが得意とする非晶質物質の構造、特に触媒構造の解明に向けて応用することである。
【背景】従来の固体高分解能NMRは、磁石で発生可能な磁場が低かったために、感度と分解能の点で突出している水素核を含むほんの数種類の原子核だけを分析対象とせざるを得なかった。そのため応用分野も炭化水素化合物にほぼ限定的であった。しかし、20T以上の強磁場になると、アルミ、ホウ素、チタン、酸素など四極子核(核スピン量子数が1/2より大きい原子核)を含む多くの元素が新たにNMRで高精度に分析可能となる。
【主な研究成果】
物材機構の930MHz強磁場固体NMRを用いて、各種触媒において四極子核のNMR観測を行った。中でも、ポリオレフィン重合触媒のチタンNMR信号の観測に世界で初めて成功した。また、同時にエチレン重合を実施し、チタンの状態と触媒活性の間に一定の相関があることが分かった。オレフィン重合触媒において、触媒活性と原子レベルの情報との間に相関が見つかったのは、これが初めてのことである。特にチタンNMRの結果は、固体触媒であるにもかかわらず、チタンが触媒表面を高速で動き回っていることを示唆しており、誰も予想していなかった新発見である。実験データからは、触媒活性が高くなるほど、チタンの運動が遅くなっていることを読み取ることができ、今後の詳細な研究が期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 強磁場固体NMRによるチーグラー・ナッタ触媒の構造解析2008

    • 著者名/発表者名
      齋藤雅由
    • 雑誌名

      次世代ポリオレフィン総合研究 Vol. 2

      ページ: 39-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NMR study of YbAl_3C_3 in high magnetic field NMR study of YbAl_3C_3 in high magnetic field2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Tomizawa
    • 雑誌名

      JOURNAL OF THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN 77(Suppl. A.)

      ページ: 291-293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of boron-doped diamonds using ^<11>B high-resolution NMR at high magnetic fields2008

    • 著者名/発表者名
      Miwa Murakami
    • 雑誌名

      DIAMOND AND RELATED MATERIALS 17

      ページ: 1835-1839

    • 査読あり
  • [学会発表] 多重パルスと待ち時間を用いたリンギングの抑制2008

    • 著者名/発表者名
      大橋竜太郎
    • 学会等名
      NMR討論会
    • 発表場所
      つくば市、筑波大学
    • 年月日
      2008-11-12
  • [学会発表] 多孔質BCN系における^<11>B-^<14>Nの交差分極法とHETCORの応用2008

    • 著者名/発表者名
      村上美和
    • 学会等名
      NMR討論会
    • 発表場所
      つくば市、筑波大学
    • 年月日
      2008-11-12
  • [学会発表] アルカリ金属を吸着したソダライトのNMR2008

    • 著者名/発表者名
      五十嵐睦夫
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      盛岡市、岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 強磁場固体NMRによるチーグラー・ナッタ触媒の構造解析2008

    • 著者名/発表者名
      齋藤雅由
    • 学会等名
      高分子学会
    • 発表場所
      横浜市、パシフィコ横浜
    • 年月日
      2008-05-28
  • [産業財産権] プローブへの液状試料取り付け方法と液状試料容器2008

    • 発明者名
      品川秀行, 清水禎, 大木忍, 藤戸輝昭
    • 権利者名
      (独)物質・材料研究機構
    • 産業財産権番号
      特願2008-191549
    • 出願年月日
      2008-07-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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