研究課題
RNAの機能制御のためのアンチセンス核酸と修飾siRNAの合成、ならびに遺伝子発現制御実験を行った。アンチセンス活性の向上を目指して、5位置換ヌクレオシドならびに、核酸切断分子としてのフェナンスロリン誘導体の導入の効果について検討した。1.昨年度までに開発した方法で、5位ポリアミン置換アラビノヌクレオシド、ならびに5位ポリアミン置換デオキシリボヌクレオシドを含む数種のDNAを合成した。また、2'位に修飾基を持つヌクレオシドを含むDNAの合成法の開発を行った。2.切断部位としてのフェナンスロリンーポリアミン誘導体、(Phen)_2taeaは、昨年度合成したものを用い、そのDNA切断活性を調べた。その結果、以前に報告したフェナンスロリンを3個持つ(Phen)_3taeaと較べ、銅錯体では同程度、亜鉛錯体と金属なしでは活性の低いことが分かった。3.5'位にリンカーを持つオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)と(Phen)_2taea反応させ、フェナンスロリン修飾ODNを得ることができた。4.昨年度、5位ポリアミン置換アラビノヌクレオシドを含むODNのアンチセンス活性を測定した結果、抑制活性が低いことが分かった。その原因調査のため、連携研究員の井上裕介准教授のもとで、蛍光標識修飾ODNの細胞内への取り込みを観察した。その結果、細胞内に取り込まれていないことが分かった。今後、細胞への導入方法の検討が必要である。5.5位ポリアミン置換デオキシリボヌクレオシドを含むsiRNAを合成し、その特定タンパク質の発現抑制活性が、未修飾siRNAに較べて高いことを見いだした。
すべて 2009
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Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids 28
ページ: 943-952