研究課題/領域番号 |
20550157
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研究機関 | (財)野口研究所 |
研究代表者 |
山ノ井 孝 (財)野口研究所, 研究部, 主任研究員 (20182595)
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研究分担者 |
藤田 雅也 (財)野口研究所, 研究部, 研究員 (20321672)
小田 慶喜 (財)野口研究所, 研究部, 研究員 (00442567)
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キーワード | 抗ピロリ / ピロリ菌 / αGlcNAc / ステロイド / N-アセチル-グルコサミン / シクロデキストリン / クラスター / 抗菌剤 |
研究概要 |
1)ステロイド骨格を有するαGlcNAc誘導体のライブラリー化とその評価 ステロイド骨格を有するαGlcNAc誘導体のライブラリーとして、3β-コレスタノールとコレステロールの水酸基、及びエストラジオール3位水酸基及び17位水酸基を配糖化したαGlcNTroc(糖水酸基保護)体を大量に調製した。さらに、αGlcNAc残基が及ぼす抗ピロリ活性の有効性を明らかにするため、エストラジオール17位水酸基をマンノース及びガラクトースで配糖化した化合物もライブラリーとして合成した。平成21年度に確立した手法により、αGlcNTroc体から目的とするαGlcNAc誘導体へと変換した。得られた化合物は水溶性に極めて乏しく、このままでは抗ピロリ活性試験に利用できないことがわかった。エストラジオール17位水酸基を配糖化した化合物群では、エストラジオール部位の3位水酸基をナトリウム塩に変換し、さらにγ-シクロデキストリンを添加することで水溶性が向上し、抗ピロリ活性試験が可能なことがわかった。これらでは抗ピロリ活性試験の評価準備に入った。 2)シクロデキストリンをスキャホールドとするαGlcNAc残基の集合化。 β-シクロデキストリンの一級側にαGlcNAc誘導体残基を集合化して、糖クラスター効果による抗ピロリ菌活性の増強を目指した。まず、エチニル基を有するグルコースとヘプタアジド-β-シクロデキストリンを基質に用いたカップリング反応(クリック反応)を詳細に検討した。常法の水溶液中でのクリック反応は、アジド化シクロデキストリンの水溶性が極端に乏しいことから、縮合反応が容易に進行しないことがわかった。両方の基質をアセチル保護化したものを用いた反応系では、有機溶媒-水系の混合溶媒中で速やかに反応が進行して、目的の集合体が得られることが明らかになった。αGlcNAc体を用いた反応へと現在応用している。
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