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2008 年度 実績報告書

カーボンナノシェルを対極材料として用いた色素増感太陽電池の高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 20550166
研究機関武蔵工業大学

研究代表者

小林 光一  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90097171)

キーワード色素増感太陽電池 / 対極材料 / カーボンナノシェル / 触媒活性 / サイクリックボルタンメトリー / 光電変換効率向上 / 電流-電圧特性
研究概要

本研究では色素増感太陽電池の対極材料として,化学的安定性,コストの面で導電性高分子より優れた材料であるカーボン材料に着目した.中でも,中空球状のシェル構造を持つカーボン粒子(カーボンナノシェル)はグラフェンに欠陥が多く,それにより触媒活性点であるエッジが多く存在すると報告されている.そこで,遷移金属錯体を用いてカーボンナノシェルを合成し,白金系材料と同等以上のセル性能を有する対極材料を開発することを目的とした.
カーボンナノシェルはフルフリルアルコールにフェロセンを添加し80℃で重合させ,これをHe雰囲気下,700℃で焼成をすることによって合成した.TEM, XRD測定によりフルフリルアルコールとフェロセンから合成されたカーボンがナノシェル構造を持つことが確認された.一方で,フェロセンを添加しなかったカーボンにはナノシェル構造は確認できず,ガラス状炭素に近い構造を持つカーボンであることが分かった.次に、この合成したカーボンナノシェルとケッチェンブラックをブタノールに分散させペースト作製し、これを用いてドクターブレード法で導電性ガラス基板に塗布することにより対極膜を作製した.この対極を用いた太陽電池の電流-電圧特性(I-V特性)の測定を試みた.カーボンナノシェル/ケッチェンブラック混合対極はケッチェンブラックのみの対極と比較して,I^-_3還元ピークの電位が高電位側にシフトしており,1^-_3還元に対する触媒活性が優れていることがCV測定により確認された.また,カーボンナノシェル/ケッチェンブラック混合対極を使用することでセル性能が向上することが分かった(η=4.24%).これは,カーボンナノシェルを混合すると,反応活性点が増加し,それにより過電圧が低下し,光電流密度増加,光電変換効率向上に繋がったものと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Fabrication and enhanced performance of a dye-sensitized solar cell with a C10_4^--poly(3, 4-ethylenedioxythiophene)/Ti0_2/FTO counter electrode2009

    • 著者名/発表者名
      Haiqing Jiang, Sho Sakurai, Koichi Kobayashi
    • 雑誌名

      Electrochemical and Solid-State letters 12

      ページ: F13-F16

    • 査読あり
  • [学会発表] カーボンナノシェル構造を用いた固体高分子形燃料電池用非白金系カソード触媒の調製と評価2009

    • 著者名/発表者名
      橋本渡, 小林光一, 高橋政志
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] シェル構造をもつカーボン微粒子を対極に用いた色素増感太陽電池の作製とその特性評価2009

    • 著者名/発表者名
      中嶋可南子, 高橋政志, 小林光一
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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