本研究では、近年の消費傾向である多品種小ロットの生産に適した生計方法である回転成形法を用いて、粉体の流動性や付着性を制御することで、厚み方向の層構造が異なる成形体を得ることを試み、さらに成形体の力学特性を層構造に基づき解析した。その結果、以下のことが明らかになった。 結晶性高分子の場合、付着開始温度は材料中の結晶の融点とほぼ一致した。 付着性の異なる2種の粉体を用い、その成形条件を選択することで、厚さ方向に異なる層構造を有する成形体を得ることができた。層構造を制御することで、同一組成でありながら幅広く固さや変形挙動の異なる材料を作製することができた。異なる層構造を持つ試料のヤング率は、高柳モデルを元に構築した力学モデルで記述できた。
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