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2009 年度 実績報告書

走査型透過電子顕微鏡による高分子複合材料の無染色観察法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20550188
研究機関京都大学

研究代表者

磯田 正二  京都大学, 化学研究所, 教授 (00168288)

キーワード高分子 / STEM / HAADF / コントラスト / 無染色
研究概要

電子顕微鏡はナノメータースケールで構造を観察する有用な手法である。しかし、電子顕微鏡の分解能は十分でも、画像としてコントラストを生成しなければ観察はできない。無機材料は重元素から構成されまた結晶性であることなどから、吸収コントラスト・回折コントラスト・位相コントラストによって、観察可能なコントラストを生成することが容易である。ところが、高分子を始めとする有機材料や生体材料はその主な構成要素が軽元素であるため、電子顕微鏡で観察可能なコントラストを生成することが困難な場合がありナノスケールでの構造研究展開を阻害していた。
申請者は走査型透過電子顕微子顕微鏡高角度散乱暗視野法(HAADF-STEM)を用いれば、熱散漫散乱による電子の散乱を検出することで、つまり密度や温度因子の微小な差異を画像化できる可能性を提案した。実際、ブロックコポリマーを対象として、HAADF-STEM法により異種ブロックのコントラスト形成に成功した。更に。その実際に観察されたHAADF-STEMコントラストの解釈をマルチスライ法により検討した。その結果、炭素・酸素・水素のみを含むブロックコポリマー系については、主要なコントラストの成因は密度差であり、付加的に熱振動の効果が加わると考えられることを明らかにしてきた。つまり、HAADF-STEM法は密度差さえあれば画像形成に有効な方法であると結論できた。しかし、それのみにとどまらず、このことを利用すれば、ナノスケールの構造相の密度測定が可能であることが示され、更に密度が類似の系においては熱振動の違い、例えばガラス転移点の相対的な比較が可能となるとの予測ができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Local analysis of the edge-dislocation core in BaTiO3 the film by STEM-EELS2009

    • 著者名/発表者名
      H.Kurata, S.Isojima, M.Kawai, Y.Shimakawa, S.Isoda
    • 雑誌名

      J. Microscopy 236

      ページ: 128-131

    • 査読あり
  • [雑誌論文] HAADF-STEM analysis of layered double Perovskite La2CuSnO6 grow epitaxially2009

    • 著者名/発表者名
      M.Haruta, H.Komatsu.H.Kurata, M.Azuma, Y.Shimakawa, S.
    • 雑誌名

      J. Microscopy 236

      ページ: 100-103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Site-resolved oxygen K-edge ELNES of layered double perovskite La2CuSnO62009

    • 著者名/発表者名
      M.Haruta, H.Kurata, H.Komatsu, Y.Shimakawa, S.Isoda
    • 雑誌名

      Phys. Rev., B 80

      ページ: 165123[6]

    • 査読あり
  • [学会発表] Electron Crystallography of Organic Materials by TEM2009

    • 著者名/発表者名
      磯田正二
    • 学会等名
      NSYSU-KU Bilateral Symposium on Materials Chemistry
    • 発表場所
      Kaohsiung, Taiwan
    • 年月日
      2009-09-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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