キチンナノファイバーを補強繊維として配合した多彩なプラスチックフィルムを調製した。物性に優れるキチンナノファイバーの補強効果によって、いずれのプラスチックにおいても強度、弾性率が大幅に向上させ、一方で線熱膨張係数を大幅に抑制することに成功した。さらにキチンナノファイバーが有機無機ハイブリッド素材の物性向上にも有効であることを見出した。さらに、キチンナノファイバーの表面をアセチル基で修飾することにより、その複合フィルムの吸湿性を半分に低減することに成功した。 キチンナノファイバーをアクリル酸でグラフトすることにより、アルカリ溶液への分散性を高めることに成功した。また、脱アセチル化反応により、キチンをキトサンに変換し、水への分散性を向上させることに成功した。これらの知見はキチンナノファイバーの配合効率を高める目的において有用である。なお、これらの反応は表面でのみ進行しているため、キチンナノファイバーの特徴的な物性を損なうものではない。 キチンナノファイバーの生体への効果効用について検証し、皮膚の表皮厚を増大し、皮下の抗原繊維を向上することを見出した。この知見はすなわちアンチエイジング効果を示唆するものであり、キチンナノファイバーを配合したフィルムの利用の拡大が期待される。
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