キチンナノファイバーの簡便な調整方法を見出した。カニ殻からタンパク質と炭酸カルシウムを除去した後、酸性条件下においてグラインダーで解繊することにより調製できる。得られるナノファイバーは均一で幅が10~20ナノと極めて細く、高アスペクト比である。この方法はエビ殻にも適用可能である。また、本法はカニ殻に内包されるキチンナノファイバーをありのままの状態で単離できるため、本来の結晶構造や形状が維持されている。 また、キチンナノファイバーでアクリル樹脂を補強した複合材料の作成に成功した。この複合フィルムはキチンナノファイバーのサイズ効果により透明である。また、物性に優れるキチンナノファイバーの補強効果により、アクリル樹脂の強度、弾性率を大幅に向上させ、線熱膨張係数を大幅に低下させることができた。
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