20年度は以下の研究課題に取り組み記載の効果を検証した: (1)モノリシック型ZnSSe-APD/p-GaAsの高感度化上記APD素子の紫外感度および増倍率Gを左右すn+-ZnSSe窓層を10nmの厚さまで低減したAPD素子の作製を行い、紫外光波帯での外部量子効率=40-50%とAPD動作条件での利得G=30-40の特性を得た。 (2)APD素子の窓屡の10nm領域における極薄膜化は、通常のMBE成長での塩素ドーピングが困難であり、本研究では新に成長中断を採用した2段階成長とSe照射条件からZn照射条件に切り替えることで10^<19>台の高濃度添加(10-15nm)を実現した。 (3)上記モノリシック型APD素子の暗電流低減:p-GaAs(基板)-pZnsSeヘテロ界面超格子を最適化することにより、素子の転位濃度を低減し、暗電流を数10nA/mm2から数10pA・mm2まで改善し、感度およびAPD素子の安定動作を可能にした。 (4)素子窓層の薄膜化が約10nm--15nm領域で限界点に達し、それを克服する新たなAPD素子(有機-無機複合型)の開発に着手した。基礎検討の段階であるが新規なハイブリッド構造のAPD素子(PRDOT-ZnSSe/pGaAs)は280nmの紫外域で優れた量子効率(>60%)と大きな利得(G>100)を得た。
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