研究課題
H21年度は紫外光波帯用光検出素子を以下の2つの構造で作製し、現在のSi紫外フォトダイオード(浜松フォトニクス)の感度を凌駕する特性を検証した。(1) 有機(PEDOT-PSS)窓層-無機(ZnSSe)-ハイブリッド型PIN素子/p-GaAs外部量子効率:62%~82%(波長250nm-350nm)を実証した。素子動作条件(10V)での逆方向暗電流(Id)は300pA/(10V)以下まで低減可能となった。(2) 有機-無機ハイブリッド構造の紫外APD試作:有機半導体PEDOT-PSS薄膜を使用し、30-35Vで初めての雪崩増倍効果(APD)動作を検証した。信号利得Gほ50-120(紫外波長:350nm)。試作した紫外APD素子は、有機薄膜-無機半導体(ZnSSe)界面において高密度の界面欠陥が形成され、APD動作条件(30V-35V)では雪崩増倍による暗電流が増大する問題が発生した。この暗電流の制御が本APD素子の実用化において課題となる。(3) 有機-無機ハイブリッド型光検出素子の寿命・安定性の評価:全無機半導体による素子の安定性に比較して、有機-無機ハイブリッド素子は、素子の動作劣化(数カ月単位)と強い紫外光照射による光劣化が生じる。この劣化は素子の完全なパッシベーション技術(アルゴンガスによる封じ込め)で制御できることが判明した。
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Phys. Status. Solidi BI-4(in press)
Phys.Status.Solidi C1-3(in press)
28^<th> Electronic Material Symposium (EMS-28) Extended Abstaract. EMS-28
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