研究概要 |
H22年度は、H20-H21年で蓄積してきたワイドギャップ半導体(ZnSS/GaAs基板)のMBE成長技術をベースにして、新に紫外透明な有機半導体薄膜(PEDOT:PSS)を素子窓層として導入し、「有機-無機半導体ハイブリッド接合」による青-紫外光波領域のハイブリッド光センサーの試作、動作確認、および特性の精密評価を実施した。これらの素子試作に先立ち、以下のデバイス・プロセス技術を確立した: (i)有機半導体(PEDOT:PSS)薄膜形成手法(スピンコート法)の最適化 (ii)有機半導体薄膜の形成後の最適な熱アニール条件の決定。 (iii)有機-無機ハイブリッド構造紫外PIN,APD素子の素子間分離プロセス(フォトリソグラフィ+ウエットエッチングプロセス)の開発。 試作した紫外光センサーは、PIN型紫外センサー、APD型(雪崩増倍型)紫外センサー、それぞれの特性、問題点を以下にまとめる: (1)P*(有機)-I-N接合型光センサ(10Vバイアス動作:室温) 紫外光波帯(波長400-270nm)で外部量子効率>85%を実験検証(紫外効率はSi素子以上) 暗電流(10Vバイアス条件)<10pA/mm^2応答速度>500MHz (2)P*(有機)-I-N接合型APD光センサ(APD動作:26Vバイアス動作:室温) APD動作電圧:26V,信号利得G=100-250(波長-325nm).暗電流<10nA/mm^2以下 (3)APD素子動作の不安定性:APD動作時の高電界により、APD動作電圧、利得、暗電流に大きな変動が発生する(要因は有機-無機半導体界面で発生するマイクロプラズマであり、素子加工プロセスの最適化で制御可能と思われる)。
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