光化学修飾法を利用することにより、ダイヤモンド粉末表面ヘリンカー鎖を介さずに直接硫黄官能基を修飾し、基材であるダイヤモンドの特性を保持しつつ、新規特性を付与することを目的とする。 20年度においては、単体硫黄の光分解反応を用いた水素終端ダイヤモンド粉末表面上への硫黄官能基化学修飾に成功し、表面硫黄官能基を利用したダイヤモンド粉末表面上への金ナノ粒子担持についても成功した。当該年度においては、既に作製に成功している硫黄官能基化ダイヤモンド粉末を用いたDNAなど生体分子固定への応用、さらにDNA固定ダイヤモンド粉末について、特異的な遺伝子配列の検出への応用について検討した。具体的には、硫黄官能基を介した金ナノ粒子担持ダイヤモンド粉末表面上にチオール化一本鎖DNAを作用させることより、生体分子修飾ダイヤモンド粉末作製に成功した。さらに生体分子修飾ダイヤモンド粉末へ蛍光標識されたターゲットDNAを作用させた。固定化反応後に蛍光顕微鏡観察を行ったところ、ダイヤモンド粉末表面のみでターゲットDNAとの二重鎖形成が起こることにより、修飾ダイヤモンド粉末から蛍光発光が観察された。本結果により、生体分子修飾ダイヤモンド粉末がプローブDNAとして機能することを明らかにした。また、生体分子修飾ダイヤモンド粉末を用いた特異的な遺伝子配列の検出や分離に応用について検討したところ、DNA混合物からの標的DNAの分離に成功した
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