平成20年度は主に色覚異常者の色覚特性の測定と色覚特性を考慮した色変換方法の開発とその評価を行った。 色覚異常者を学内で募集し、色弁別特性の測定を行った。我々の研究室でこれまで開発してきた手法により錐体刺激千色空間の種々の方向(輝度方向、赤/練反対色方向、S錐体方向等)で、色弁別特性を測定した。従来の色覚検査方法より詳細な色覚特性が得られることができた。この研究成果は塀背21年5月に日本色彩学会において発表する 色覚特性を考慮した色変換方法の開発とその評価では、対象とする画像のRGB信号を基に、人間の視覚系の最初の色信号である錐体刺激値LMSに変換し、さらに高次レベルの信号である輝度情報(A)、赤/緑反対色情報(T)、黄/青反対色情報(D)に変換し、このATDステージにおいて色覚障害者の色弁別の実験で得られた知見を基に色変換を行った。色変換ついては、(a)残された識別機能(輝度情報、黄/青反対色情報)の強調、(b)低下した識別機能(赤/緑反対色情報)の強調などの方法を開発した。この方法により変換された画像について、色覚異常者を用いて評価実験を行い、画像の変換前後で色覚正常者にはあまり違いが気づかないが、色覚異常者には見やすくなるようなものであることを確認した。この研究成果は平成21年1月の日本視覚学会において発表した。
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