研究概要 |
4m^2(2m×2m)のフレネルレンズを一次集光系として用い,二次集光系である太陽光キャビティとCr:Nd:YAGセラミックレーザー媒質を最適化する事により,単位集光面積当たりのレーザー出力が20W/m^2を達成している.従来の反射鏡とNd:YAG結晶レーザー媒質を用いた場合と比較して約3倍の効率の向上に成功している. 特に,キャビティ内部での反射率の向上や,レーザー媒質の形状の最適化による影響が大きく,最大出力約8OW、定常出力でも約60Wの出力が安定的に得られるようになった. また、酸化マグネシウム(MgO)にレーザーを照射する事によってマグネシウム(Mg)の還元に成功しており,還元剤を用いた実験においては還元効率(蒸着物中のMgの質量割合)90%以上という非常に高い効率を得る事に成功している. アブレーションプルーム内部の温度分布と,Mgの生成効率,還元効率との関係性を見いす事に成功した.更に,MgOに還元剤を混合したターゲットを用いる実験を行い,還元剤含有量依存性を明らかにし,様々な雰囲気ガスの充填による効果についても分析を行った. 以上の結果から,自然エネルギーである太陽光をエネルギー源とした太陽励起レーザーを用い,Mgをリサイクル可能なエネルギー媒体としたエネルギーサイクルの実現に向け,太陽励起レーザーと,レーザーを用いたMgOの還元という二つの各要素技術の効率向上に成功している.
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