研究概要 |
4m^2(2m×2m)のフレネルレンズを一次集光系として用い,二次集光系である太陽光キャビティとCr:Nd:YAGセラミックレーザー媒質を最適化する事により,単位集光面積当たりのレーザー出力が20W/m^2を達成している.従来の反射鏡とNd:YAG結晶レーザー媒質を用いた場合と比較して約3倍の効率の向上に成功している. 特に,キャビティ内部での反射率の向上や,レーザー媒質の形状の最適化による影響が大きい.これまで,短時間における最大出力約80W、1分程度で約60Wの出力得られるようになっていたが,更にレーザーの安定化を図る事により,数分以上安定したレーザー出力が得られるようになった. また、酸化マグネシウム(MgO)にレーザーを照射する事によってマグネシウム(Mg)の還元に成功している.本年度は,MgとOの乖離のために電界をかける試みや,混合させる還元剤の種類の検討を行う事により,それぞれが無い場合と比較して効率向上を果たしており,全ての生成物の回収を仮定すると,従来のMg精錬技術よりも高効率なMg精製をレーザーによって可能となる事を示した. 以上の結果から,自然エネルギーである太陽光をエネルギー源とした太陽励起レーザーを用い,Mgをリサイクル可能なエネルギー媒体としたエネルギーサイクルの実現に向け,太陽励起レーザーと,レーザーを用いたMgOの還元という二つの各要素技術の効率向上に成功している.
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