研究概要 |
従来の研究ではマグネシウムのリサイクル方式を研究するための手段として,レーザーを熱源として用いるため,安価で高出力を得る事が容易である炭酸ガスレーザーを用いていた.しかし,実際は太陽光のエネルギーを用いた太陽励起レーザーで実際にマグネシウムを生成しなければ意味が無い.そこで,本年度は実際に太陽励起レーザーを用いた酸化マグネシウムの還元の実証試験を行った. 4m^2(2m×2m)のフレネルレンズを一次集光系として用い,二次集光系である太陽光キャビティとCr:Nd:YAGセラミックレーザー媒質を最適化する事により,太陽光励起レーザーを発振させるとともに,そのレーザーを酸化マグネシウムに照射する事により,マグネシウムに還元する実験装置を作成し,実証実験を行った. レーザーの出力が50Wの時に約0.1mg,レーザー出力55Wの時には約0.65mgのマグネシウムの生成に成功した.これはレーザーのエネルギーの内の約3%をマグネシウムに貯蔵した事に値する. また,太陽励起レーザーのビーム品質の制御を行っていないため,集光点でのパワー密度が低いために照射したレーザーのエネルギーに対するマグネシウムに貯蔵されたエネルギーは少ないが,ビーム品質についてM^2を数分の1にする程度でこの効率が25%程度まで上昇する事を炭酸ガスレーザーを用いた実験で確認した. 以上により,太陽励起レーザーを用いたMg燃料電池用Mgリサイクル方式の実証試験を行い,低効率ながら実証に成功した.
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