平成20年度は、各種シンチレータについてひととおりの光子収率の測定を行った。 その方法はBGO、YAP(Ce)、LSO、GSO、CsI(Na)、CWOなどのシンチレータを円筒形に研磨し1面をガラス窓で、他のすべての面は反射剤で囲み気密ケースに封じる。これらのシンチレータをPMTと接合した。 PMTは通常の電子増幅をするモード(PMTモード)と以下にのべる光ダイオード(PDモード)とをシンチレータにより使い分けた。PMTを光ダイオードとして動作させるときは、PMTのグリッド(G)と第1、第2ダイノードを接続しこれをコレクタ電極としてグランド電位で電荷有感型前置増幅器につなぐ。一方、PMTのカソードとアノード及びその他の全ダイノードを接続し負のバイアスを印可して陰極とする。この場合、PMTの陰極より放出された電子は、コレクタ以外に行き先がないので100%コレクタで収集可能である。すなわちPMTは利得=1の光ダイオードとして動作する。光子収率に小さいシンチレータではPDモードでは雑音が大きく正確な測定が困難であるのでPMTモードで測定した。 これまでに求めた光子収率の一部を以下に記載する。ただしこれは、まだ精度、誤差の評価が十分ではないので、予備的な結果というべきである。今後、光子輸送の過程を吟味し精度、誤差の評価を行い取りまとめる予定である。 シンチレータBGO YAP(Ce) LSO GSO CsI(Na) CWO 光子収率(photon/MeV)9500 19000 23000 11000 53000 13000
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