平成21年度の研究で各種シンチレータについて、系統的に光子収率を示すことができたので平成22年度はシンチレータの光子収率の温度特性について調査し、予備的な実験を行い、新しい光電子増倍管の特性評価を行った。 いくつかのシンチレータでは光子収率の温度特性について調べられていて、温度を下げることで光子収率がおおきくなる場合があることが知られている。我々の予測では、ある程度光子収率がおおきくなると、エネルギー分解能が格段に向上する可能性がある。そこで室温での光子収率が大きなシンチレータについて、低温での光子収率の調査を試みた。そのために、光電子増倍管の温度特性の調査を始めに行った。 また、最近量子効率の大きな光電子増倍管が入手できるようになった。我々も浜松ホトニクスのR6231光電子増倍管について、赤、緑、青の光について、入射角を15-75度まで15度刻みで調節し、量子効率と反射率を測定した。これをもとに、光電面の厚みと赤、緑、青の各色の波長に対する複素屈折率を決定した。 なお、平成21年度に、IEEE誌に投稿した系統的な光子収率の論文は、平成22年度に掲載された。 また、個体無機シンチレータの成果を参考にガス中でのシンチレーションの研究を進めた。
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