固体高分子の中にカーボン・ナノチューブを分散させた複合材料は、母体となる高分子材料と比較すると弾性的な強度が増す事が知られている。この複合材料における熱伝導率の振る舞いは、工学的に重要な問題である。単体のカーボン・ナノチューブは、極めて高い熱伝導率を示す一次元熱伝導体である事が従来の研究から知られているが、高分子複合材料における熱的な性質については未解決の問題が数多い。本研究においては、高分子にナノチューブを添加した複合材料における熱的性質について、数値シミュレーションの立場から明らかにする事を目的とする。
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