研究課題
凝縮媒質(液体や固体)中を伝播する衝撃波に関する数理工学的研究を行うことが目的である。平成22年度は、次の研究項目を、理論的および数値的な解析手法により研究し、非常に有益な成果を得ることができた。1.剛体球系での衝撃波現象の解析:ランキン=ユゴニオの関係と安定性について、熱・力学的な観点から解析した。波面構造における不可逆現象の解析手法の開発に着手した。2.実在流体系での衝撃波現象の解析:(1)剛体球系で得られた結果を基準として、液体物理学における摂動理論を援用しつつ、実在流体中の衝撃波現象を定量的・系統的に解析した。(2)分子間相互作用をもつ系に対して、具体的な解析結果を求めた。相互作用ポテンシャル中のパラメータに、衝撃波現象がどのように依存しているのかを明確にした。(3)衝撃波が不安定化した場合での、数値計算と理論との比較を行った。(4)前年度に新たに発見された新奇な衝撃波(compressive upper shock)についてさらに詳細に研究を進めた。3.結晶性固体における衝撃波現象:結晶性固体については、衝撃波の伝播挙動、そしてその反射時における固体の破壊等について数値計算を行い、非常に興味ある結果が得られつつある。4.衝撃波面の前後で相が異なる場合のランキン=ユゴニオ関係式を理論的に明らかにし、衝撃波の安定性を明らかにした。Liu条件と呼ばれる安定判別法に注目した。
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Proceedings of International Conference on Hyperbolic Problems (2010, Beijing) (HYP2010)
巻: Vol.13(印刷中)
Physical Review E
巻: Vol.81 ページ: 066307(13)
Physics Letters A
巻: 374 ページ: 3315-3318
巻: Vol.82 ページ: 036324(5)