研究概要 |
本年度は,正定値行列補完を用いた準ニュートン法(以下,MCQN法)の実用化および応用に関連した以下の研究を実施している. ・非線形方程式,最小2乗問題に対しては,準ニュートン法を適用して解くことができるが,一般には,ニュートン法の一種であるLevenberg-Marqurdt法が用いられることが多い.そこで,まず,Levenberg-Marqurdt法の計算量の解析を行い,正則性の仮定がない問題においても,ニュートン法などと同等の計算量で解が求まることを示した.また,この結果を,部分問題を正確に解かない場合にも拡張した.準ニュートン法は(ニュートン法の)部分問題を近似的に解くこととみなせるため,最小2乗問題における準ニュートン法の計算量解析において重要な役割を果たすことが期待できる. ・今後の研究方針を決定する上で重要となる準ニュートン法の最新の研究動向をまとめ,オペレーションズリサーチ誌に掲載するとともに,関連した講演を行った.
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