研究概要 |
本研究の目的は,数理計画法に基づく接触問題の効率的解法を開発し,その中の線形問題をバランシング領域分割法により並列計算することにより,大規模接触問題の解析を可能とすることである.平成21年度には,以下の研究を実施した. 1.内点法における線形問題への反復型適用 内点法における線形問題の求解について検討した.バランシング領域分割法は,共役勾配法に対する前処理手法として定式化されているため,まず,内点法における線形問題に対して共役勾配法を適用することを試みた.内点法における線形問題は,ペナルティ法における線形問題と同様に非常に悪条件問題となる.制約前処理と呼ばれる手法を前処理として用いることにより,収束解が得られることがわかった. 2.摩擦のある接触問題,動的問題についての検討 摩擦のない接触問題の解法に対して,当初の計画以上に時間がかかったため.本年度では摩擦のある接触問題の定式化の整理のみを行った.また,バランシング領域分割法により動的解析を実施可能なコードを開発した. 3.PCクラスタの構築 購入したPCサーバにLinuxをインストールし,ネットワークで接続することでPCクラスタを構築した.また,並列計算用の開発環境,コンパイラをインストールした.
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