研究概要 |
1.ADVENTURE_Solidへの摩擦のない接触問題解析機能の実装 別途機能拡張している並列有限要素解析コードADVENTURE Solidは,BDD法に基づく固体の非線形応力解析が可能であり,OpenMPによるマルチコアCPU上でのスレッド並列計算機能も実装されている.また,多点拘束条件(MPC)を扱うことも可能である.本年度は本コードに,Semismooth Newton法の一種であるactive-set法に基づく摩擦のない接触問題解析機能の実装を試みた.しかし,二つの直方体の接触問題に特化したプロトタイププログラムの実装しかできず,一般化については今後の課題である. 2.ADVENTURE Solidの多点拘束条件機能の改良 ADVENTURE_Solidにより,多点拘束条件が数百万個付加された問題も解けるようにするために,射影の計算にスパースソルバーMUMPSを導入し,省メモリかつ高速に計算できるような実装方法を考案した.また,コースグリッドに付加されるMPCのペナルティ項の計算部分について,データの保存スキームを見直すことにより省メモリ化するためのアルゴリズムも考案した. 3.摩擦のある接触問題に対する解法 これまでに開発した摩擦のある接触問題を解くためのプロトタイプコードをBDD法に組み込むために,Augmented Lagrange法の収束性について調査した. 4.建築構造における接触問題 2枚のALCパネル外壁の接触問題について昨年度に引き続き検討を行った. 5.まとめ 4年間の研究成果をまとめた.達成されていない研究項目の今後の研究方針について検討した.
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