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2010 年度 実績報告書

表面改質によるマグネシウム合金の耐腐食疲労性能向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20560069
研究機関富山大学

研究代表者

石原 外美  富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (60019221)

キーワード腐食疲労 / 陽極酸化処理 / 塗装処理 / 分極挙動 / Mg合金
研究概要

陽極酸化処理(AD)と塗装膜(P)を複合させたハイブリッド処理試験片を用いて3%食塩水中にて腐食疲労実験を行った.その結果,陽極酸化処理(AD膜)単独では腐食疲労寿命を改善できないが,AD膜とP膜(塗装処理)のハイブリッド処理によって,腐食疲労寿命を大幅に改善することができることがわかった.しかし,ハイブリッド処理材でも,陽極酸化(AD)膜を厚くするに従って,耐腐食疲労性能の改善効果が減少した.AD膜を30μmとしたハイブリッド処理材のAD_<30>P_<20>(AD膜30μm,塗装膜20μm)試験片では,裸材と同程度の腐食疲労強度まで低減することから,塗装処理(P膜)による改善効果は消失した.FEM解析ソフトを用いて,荷重を負荷した際に,AD膜厚さならびにその粗さに起因してP膜に発生する弾性ひずみを定量的に求めた.その結果,AD膜の厚みが増加するに従って,すなわちその粗さが大きくなるに伴い,塗装(P)膜のひずみ値が増加した.
AD_0P_<20>,AD_<10>P_<20>,AD_<30>P_<20>の3種類の試験片を用いて,100MPaの曲げ応力を負荷した場合の電気化学分極曲線を測定した.無負荷の状態では,これらの試験片の分極挙動は観察されなかった.AD膜の薄い試験片AD_<10>P_<20>(AD膜10μm,塗装膜20μm),あるいはAD膜が存在しないAD_0P_<20>(AD膜0μm,塗装膜20μm)試験片では,応力を負荷しても,分極挙動は観察されなかった.無負荷では,分極しなかったAD_<30>P_<20>試験片が100MPaの応力負荷により分極した原因は,AD膜の粗さと厚さに起因して,塗装(P)膜に大きなひずみが発生し,P膜の,液に対する浸透性が増加したためであると考えられる.その結果.腐食液がP膜とAD膜の界面まで侵入し,さらにAD膜の多孔性により腐食液は母材表面まで達することにより,腐食ピットを生成したものと考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 陽極酸化並びに塗装処理によるMg合金表面改質材の腐食疲労強度の改善と破壊機構に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      波戸友徳, 石原外美, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会北陸信越支部第48期総会・講演会
    • 発表場所
      信州大学繊維学部
    • 年月日
      2011-03-05
  • [学会発表] Mg合金メッキ材の静的腐食抵抗と腐食疲労特性に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      波戸友徳, 石原外美, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2010材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      長岡技科大学
    • 年月日
      20101009-20101010
  • [学会発表] 陽極酸化処理を施したMg合金の腐食疲労特性に及ぼす陽極酸化膜厚さの影響2010

    • 著者名/発表者名
      波戸友徳, 石原外美, ほか
    • 学会等名
      日本機械学会2010年度年次大会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      20100905-20100908
  • [図書] Magnesium Alloys (Corrosion and Surface Treatments) edited by Frank Czerwinsky2011

    • 著者名/発表者名
      S.Ishihara, H.Notoya, T.Namito
    • 総ページ数
      Chapter 1224
    • 出版者
      InTech

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公開日: 2012-07-19  

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